希望的ゴールが遠ければ遠いほど、患者様並びに治療支援をしている医療のスタッフは「まずは普通の生活から。」や「退院後、再発しない為にまずは病状管理を生活のベースに」と管理的な観点に
目標を設定します。
これは患者様を軽視しているのではなく、業務倫理上、ディフェンスを固めるのは当然の職務になります。
しかし、このままだと患者様は、自身の希望を見たときに「そんな事していいんですかね。」という遠慮の気持ちが強くなります。これが累積していくと、患者様は希望を話す事が出来なくなり、自身の人間性(スキーマ)を曲げなくてはいけなくなります。(私は〇〇な人間だ)みたいな囲いを作る感じです。
私達OTはここで、ゴール(Being:本人のやりたい事)に達するまでの道のりを「階層制(フェーズ)」として構造化し、実行できる行動として提示します。
他の記事で合意も目標はBing(かなえたい事)、具体的目標はDoing(すべき事)に分けて、考える事を解説しております。
MTDLPを実践で使いやすくする。会話の解剖から導く「階層型」作業設計と合意目標の技術をご参照ください。
私たちが臨床で行うのは、
「患者様のBeingに達する階層制をどう確立するか」
「現在の患者様が、どのフェーズに位置しているか」、
「次のフェーズへ上がるための作業判断」です。
【目標の階層制(フェーズ設定)モデル】例

[フェーズ 4:希望的ゴール(最終着地点)] ───> 【存在の獲得:Being】
▲
[フェーズ 3:地域適応・就労フェーズ] ─────> 【社会との接点:外適応】
▲
[フェーズ 2:病棟内・対人コミュニケーション] ──> 【社会性のリハビリ:集団への適応】
▲
[フェーズ 1:現在の合意目標(目先の作業)] ───> 【遂行能力の確認と適応:Doing】
上記の内容は仮に、作業設定した例となっています。このように、Being(なりたい自分)に対して、階層制を敷く事で、Doing(目先の作業)の全景が見えてきます。MTDLPを作成する上では、必ずこのフェーズを記載しなければ、作成者自身でも何がしたいのか迷いますし、そうなると説明されている患者様・他の医療職へも理解は難しいシートとなります。
point ICFや事例報告シートでは自然に長期・短期目標を書いているがMTDLPでは合意目標という言葉のまとめ方で繋がらない
私達OTは、用紙は様々かもしれませんが、事例報告シートやICF記述の際にさんざんやっている患者様の目標を長期・短期目標という形で記載していますが、MTDLPになると合意目標という形で、それがまとめられる為、長期・短期目標の概念が繋がらない事が多々あります。
MTDLPもICFもやっている事はほとんど変わりません。MTDLPは熟練の作業療法士の脳内処理過程を可視化したものに過ぎず、それを患者様のBeingを土台にトップダウン(その願いから何が必要かを探っている)しているだけです。
ICFは患者様の環境を含む全体像を把握し、そこからボトムアップ(土台のその人の能力人柄すべてを把握、最終的な目標を決める)しているだけです。始める視点の違いです。
つまり、MTDLPの合意目標もフェーズという形で捉えれば、Doingの全景を把握しやすくなるという事です。



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