体を整えるのに超重要!?感覚3種類②前庭感覚編

児童発達関連

この記事の要約

前庭感覚は「バランスのセンサー」

他の記事で触覚・固有受容覚「体のセンサー」と言い、以下の内容を説明しました。

詳しくはこちら【体を整える為に超重要!?感覚3種類①触覚・固有受容覚(体性感覚)編】
をご参照ください。

では、前庭感覚はどのような感覚でしょうか?

前庭感覚と言っても固有受容覚並みに馴染みのない名前ですよね。

この感覚も体を整える上ではとても重要なん感覚です。

ちなみに前庭感覚は耳の奥の三半規管という所にあります。

そこで感覚を感じ取ってくれています。

前庭感覚は、体の傾き体がどの程度早く動いているかなどのスピード

どの程度回っているかの回転力を把握する感覚です。

つまり前庭感覚は体に感じる外力(外から加わる体を押す力みたいなもの)に対して感知する

バランスのセンサーなのです。

以下の例をみてみましょう。

前庭感覚の例

1. 「スマホの画面がクルッと回る」 揺れ・傾き

「スマホを横に傾けると、画面も自動でクルッと横向きになりますよね?

あれはスマホの中に『傾きを感知するセンサー』が入っているからです。

人間の耳の奥にもこれと同じセンサーがあります。

子供が転びそうになった時に、パッと手が出るのは、このセンサーが

『あ、今体が斜めになったぞ!』と一瞬で脳に教えてくれるからなのです。」

2. 「車や電車のスピードメーター」 スピード・傾き

「前庭感覚は、子供の脳にある『スピードメーター』です。

これがあるから、滑り台でビューンと滑っても、自分がどれくらいの速さで動いているか分かり、

『そろそろ足をついて止まろう』と準備ができます。

もしこのメーターが壊れていたら、速すぎて怖くて泣き出してしまうか、

逆に速さに気づかず壁に激突してしまいます。

安全に遊べるのは、脳がスピードを正しく測れているからなのです。」

3. 「目を閉じていても、エレベーターが動いたとわかる」 重力・揺れ

「エレベーターに乗ったとき、目をつぶっていても『あ、動き出したな』『今、止まったな』

と分かりますよね。

あのフワッとする感覚こそが前庭感覚です。

このセンサーがしっかり働いていると、地面が揺れても、自分の体が空間の中で

どう動いているかが分かります。

だから、デコボコ道でも平均台の上でも、怖がらずに挑戦できるようになるのです。」

「前庭感覚は、いわば『私たちが普段生活している地球と仲良くなるためのセンサー』です。

地面に対して体がまっすぐか、どれくらいの速さで動いているかを教えてくれるので、

子供たちは安心して外の世界へ飛び出していけるのです。」

前庭感覚のはたらき

では、これらの感覚を感じる前庭感覚はどのようなはたらきをしているでしょうか?

重力に対してバランスをいじするはたらき

重力に負けていては私たちは地球で生活ができません。

そのため、私たちは重力に対抗しながら筋肉で体を持ち上げます

この時、どの程度重力を感じるかを前庭感覚が担っています。

傾きを感じるはたらき

前庭感覚は特に耳に感じる所がある為、特に頭がどこに傾いているかを感じ

その感覚で姿勢を整えるはたらきを担っています。

目の動きをサポートするはたらき

とてもイメージのつきづらいはたらきですよね。子供たちが走り回っている時、

視界はガタガタに揺れているはずです。

しかし、実際には景色はブレずに見えています。

これは、耳の奥のセンサーが「今、頭が右に揺れたよ!」と瞬時に目に伝え

目が自動的に「じゃあ左に向いてピントを合わせるね!」と

反対方向に動いて調整してくるからです。

先ほどの例にも挙げたように、スマホの傾きのように動きながらでも目を固定させる

はたらきを担ってくれています。※難しい言葉で前庭動眼反射と言います。

覚醒を調整するはたらき

 前庭感覚(耳の奥のセンサー)には、脳全体の「目覚め具合(覚醒)」を

ちょうど良い状態にコントロールするという、非常に重要な役割があります。

このセンサーに刺激が入ることで、脳は「今は活動する時間だ!」とシャキッとしたり、

逆に「今はリラックスする時間だ」と落ち着いたりすることができるのです。
              
例えば、寝ている人を起こすときに体を揺らしますよね。これは前庭感覚の揺れが

覚醒(起きる)度を上げる事に神経で繋がっている仕組みです。

それとは逆に赤ちゃんを寝かす時胸の中で揺らすの赤ちゃんに心地良いリズムを与える事で

覚醒を下げる神経に繋げているという理屈になります。

ボディイメージのはたらき

触覚・固有受容覚と同じように前庭感覚は傾きを感じる感覚から

自分の姿勢や立ち位置などのボディイメーの発達を育むはたらきがあります。

前庭感覚は体の神経のwi-fi的な役割!!

みなさんの体は触覚のように何か手に触れたらすぐに触れたものが理解できます。

これは皮膚にふれた刺激を神経という道を通って、脳に送っています。

このような信号の道筋を神経ネットワークと言います。

例えるならインターネットのケーブルのようなイメージですね。


前庭感覚は実はインターネットでいうwi-fi中継器のような役割を担っています。


先ほどの役割を聞いても頭の整理が難しい方もいたかと思います。

実際この記事を書いている私もそうでした。

自分の中で一番整理しやすい内容を考えているうちにこの表現にたどり着きました。

先ほどの感覚について整理しますと、
前庭感覚は

体の揺れ
体の傾き
体にかかるスピード
体にかかる重力(落ちている感じや重み)
体にかかる回転
を感知する場所です。

常に外部から信号を受信しているわけです。

では、はたらきを見てみると、

重力に対してバランスをいじするはたらき・傾きを感じるはたらき

【前庭脊髄路(ぜんていせきずいろ)〜脊髄(せきずい)】・【小脳(しょうのう)】
「姿勢の専門デスク」へ(重力とバランス)「今、重力がこっちにかかったよ!」という情報を、筋肉をコントロールする部署へ送ります。

目の動きをサポートするはたらき【動眼神経核(どうがんしんけいかく)などの脳神経群】

今、頭が右に動いたよ!」という情報を、目を動かす筋肉の部署へ送ります。

信号を受けた目が「じゃあ左に視線を動かして、景色がブレないように固定するね!」と

動き、走りながらでも文字や友達の顔を捉えられます

覚醒を調整するはたらき 【脳幹網様体(のうかんもうようたい)】

「今、勢いよく動いているよ!」という情報を、脳を覚醒させる部署へ送ります。

信号を受けた脳が「よし、活動モードだ!集中力を上げよう!」とスイッチを入れ、

学習や遊びに身が入るようになります。

ボディイメージのはたらき【頭頂葉(とうちょうよう)】

「体の地図作成部署」へ(ボディイメージ)「今、体はこれくらい傾いているよ!」という情報を、

自分自身の位置を把握する部署へ送ります。

その他にも自律神経系に前庭感覚は道を繋げている為、

揺れなどの情報を、体調や気分のコントロールに繋げます。その為、揺れを感じると気分が悪いなどの

内臓感覚にまで信号を送っています。

その他、体性感覚の詳細は【体を整える為に超重要!?感覚3種類①触覚・固有受容覚(体性感覚)編】をご参照ください。

参考文献 

【子どもの理解からはじめる感覚統合遊び】 加藤 寿宏 監修

コメント

  1. 新垣 貴之 より:

    ジャンプくるくる… 人間を形作る… 体を整える…①と②、全て拝見させて頂きました。
    5感覚と原始覚の基本や、それらがどのように子の行動に作用しているか、よく見かける動きを取り上げながら説明していたので、理解しやすかったです!
    (メーター、WiFi等の脳の交通整理も良かった☆)

    もう少し先で繋がって(記事がアップされて)くると思いますが、この感覚構築の土台から、 感情の安定、集中力向上、他者コミュニケーション力向上と規律尊守、などの内容になるのかな??
    ……またその先に繋がって、勉学・スポーツ・文化芸術系の 子共の成長の仕方などなどの記事へと…… と、勝手にこれからの記事に 期待と妄想を膨らませてしまいました(^ν^)
    応援しております😊(ぱーぱムリはしないでネ~♫)